父として幼稚園を4年間見てきて思うこと

〜幼稚園の役割〜

2017年4月17日

次男が今年の3月で晴れて幼稚園を卒園!

リレンザの写真

今年の3月に次男が幼稚園を卒園しました!


長男が卒園したのが4年前になりますが、長男・次男合わせるとうちの家族は4年間幼稚園と付き合ったことになります。

また、長男の卒園タイミングで引越しをした関係上長男と次男が異なる幼稚園に通うことになり、我々親としては奇しくも2つの幼稚園を見ることができました。


また、実は長男の通っていた幼稚園はいわゆる公立幼稚園で次男は私立であったこともあり、公立と私立の違いというものもなんとなく見ることができました。


ちなみに私は長男のときには許される全ての幼稚園のイベントに参加させていただくと同時に次男の時には妻が幼稚園母の会の会長を勤めていたこともあり、かなり深く幼稚園と関わっていた父親かもしれません。


今回のブログでは、長男と次男が通った幼稚園の違い、公立・私立の違いなども踏まえ、一父親目線で幼稚園のあり方、役割みたいな話をしてみたいなと思います。


親の幼稚園のニーズの変化


これは長男が幼稚園に通っている頃から感じていた印象ですが、できる限り父兄参加のイベントをなくしてほしいという要望が幼稚園に対してある様子が伺えました。


また、幼稚園選びのポイントとして父兄参加のイベントが少ない幼稚園を選ぶ親御さんが多く、そのためイベントが少ない幼稚園に園児が流れ、イベントが多い幼稚園が定員割れするような様子を見ることができました。

また、幼稚園の役員選びも大変らしく、押し付け合いになることもあるとのこと、そのあたりからもできる限り手間がかかることを避けたいという父兄の様子が伺えます。


この流れに対する幼稚園の対応


では、この流れに対して幼稚園側はどうしているのでしょうか。


この辺りが長男・次男が別々の幼稚園、それも公立と私立だったところから感じたことですが、印象としては公立の方がそんな共働き父兄をサポートするためか公立幼稚園のカリキュラム共通の考え方なのか私立に比べると圧倒的に父兄と幼稚園の関わりが少ないように感じました。

では、どんなところが違ったのでしょうか。


独自の思想を持つ私立幼稚園


特に強く感じた点は、公立幼稚園は公の機関ということで色々な家庭状況の園児を受け入れているという背景からかあまり特徴がないように感じました。

長男が公立の幼稚園に通っていた頃は我々もそれしか知らないため、それに対していいとも悪いとも思っていませんでしたが次男が私立幼稚園に通うようになってからその違いに驚かされることになりました。


私立の幼稚園の特徴は良くも悪くもそれぞれに「色」があり、それが幼稚園の運営や園児への対応に大きく表れていました。

次男が通っていた私立幼稚園は、幼稚園のイベントがとても多く、それぞれのイベントに親が積極的に参加する形となっているのがとても大きな特徴だと思います。

妻は、そんな幼稚園の母の会会長になったため会長になった当初は、なんでこんなにたくさんイベントがあるんだとよく愚痴を言っていました。笑


それは、幼稚園公開、母親参観、父親参観、運動会、芋掘り、サマーキャンプ、バザー、クリスマス会、餅つき、器楽合奏会などなど一年中何かしらのイベントがあり、そのどれもが親が大なり小なり関わります。そのため、私の妻は、母の会の仕事があまりにも忙しく(いろいろな準備作業や当日のサポート要因の確保などは実は父兄が協力してやるものが多い)その一年は日中は子供達の世話などで忙しいため朝4時起きで母の会会長の仕事をこなすような毎日でした。


幼稚園の役割は親と学校との関係づくり


そんな二つの幼稚園を父親として見てきた中で感じる幼稚園の役割として、とても大切なことの一つに親と学校との関係づくりや親同士の関係作りがあると感じました。

当たり前のことだと私は思うのですが、子供を育てるのは誰でもない親ですよね。

しかし、一人で一人の子供を育てるより、多くの大人が関わり、子供を守り、育てる方がいいに決まっています。

だからこそ、幼稚園の先生との関係やママ同士の関係作りがとても重要だと思います。

そして、自分のママやパパ以外の大人に子供が接する機会を持つことも子供から見た「大人への信頼」という観点で非常に重要だと思います。


しかし、実際は、幼稚園に通い出すと親としても初めて幼稚園という言わば「学校」との関わりや他の親との関わりが始めることから、実は関わり方がわからない親が多いのではないかと思います。

そのため傍観者になりやすく、その状態のまま小学校、中学校と上がっていくと極論ですが、いつの間にか子供は学校が育てるものだと勘違いし、任せっきりにするようになるだけでなく、子供のしつけや勉強がうまくいっていないと感じると学校を攻めるようになるのではないかと思います。


また、小学校に上がり子供同士が遊ぶ機会も多くなり親同士が連絡を取り合うことや連携し子供を預かったり預けたりすることも多くなります。また、学年が上がると子供の交友関係も広がることから親同士の関係作りが子供の交友関係を良好なものにすることにも大いに貢献すると思います。

別な言い方をすれば、学校や他の親との関係をきちんと築けない親が増えると、自分の子供の親として、そして、ある意味で地域の子供たちの親・大人として自らの責任をきちんと果たすことができなくなるだけでなく、子供が孤立したり、いじめの原因にもなるのではないかと危惧します。


何事も最初が肝心です。だからこそ幼稚園の時代は、親が学校との関わり方、他の親との関わり方を覚えるための大切な期間と考え積極的に関わるべきだと私は思います。

もっと言えば幼稚園の先生、自分の子供、親の3者の関係のあり方、役割・責任分担、助け合いの気持ちなどを小学校に上がる前の明確にする練習場であるべきだと思います。


そういう意味では私は今回次男が通った私立幼稚園の姿勢には大変感謝しています。また、妻を始め、妻と一緒に役員をされた方々、その他この幼稚園に通っておられて父兄のみなさん、どなたもきちんと子供と向き合い、先生たちへの大きな感謝の気持ちを持って自分の子供たちを卒園させたと思います。


それは、他の幼稚園では聞いたことがない謝恩会という会に参加する機会があり、その様子からもよくわかりました。

謝恩会とは次男が通っていた幼稚園で代々行われているものですが、卒園式後に卒園児の父兄が先生方に感謝の気持ちを伝えるためお母さん方が一生懸命練習した各種出し物を先生方に披露する会です。

笑いあり、涙ありですが、とにかくお母さん方から先生方への感謝の気持ちを象徴するようなイベントでした。


また、お母さん方が協力し、作業分担・役割分担をしながら子供達のために頑張っているため、その苦労を共有したお母さん方の結束は硬く、これからも小学校・中学校と子供達が進級していっても一緒に協力しながら子供たちを育てていくんだろうなと感じます。

さらに苦労していろいろなイベントを実現しているため、そこから大きなやりがいを感じている様子も謝恩会に参加することを通して感じることができ、幼稚園に積極的に関わることで専業主婦になるとなかなか感じることがない仲間と一緒に一つのことを実現させることや、それを乗り越えた時に得られる大きなやり甲斐を感じることもできるのではないかと思います。


それは言うなれば同じ年代の子供を同じ時代に生きるお母さん方がまっすぐに子供と向き合いながら協力しながら育てているといえ、個人的にはとても素晴らしいことだと思います

これからはどうあるべきか。


今の時代の流れを考えると女性の社会進出により共働き夫婦が増えており、その結果、物理的に余裕がない夫婦は幼稚園や学校に子供を預け始めると子育てを任せっきりにせざるを得ない社会環境ではないかと思います。

そして、その背景には、企業側の子育て夫婦への意識、社会全体の子育てに関する意識なども大きく関わっていると思いますが、個人的には子供を大切にしない民族は破滅すると思っており、現代のような余裕のなさから子育てを学校に任せっきりにせざるを得ない社会状況、そして、それを支援する方向に幼稚園が流れ、親と幼稚園との関わり、親同士の関わりを減らそうとする姿勢は、親・大人の責任という基本的なことを学ばない子供を増やすと同時に、場合によっては子供を孤立してしまうことも考えられ、これからの日本を、そして世界を担う人材を育てる環境としては課題が多いのではないかと思います。

だからと言って、子育てに対する理解がある会社・組織ばかりではない中で子供のイベントをたくさん用意し、親を苦しめてもしょうがないことだと思います。


では、どうすればいいんでしょうね。


この問題を解決するには大きく社会の流れやそして、その流れを作り出す人々の考え方を変える必要があると思いますが、社会の考え方は個々人の考え方の集合体だと考えれば、結局一人一人がその立場に立った時にどんな判断をし、どう振る舞いをしたかが重要となり、その積み重ねこそが社会の考え方を変えるのだと思います。

それは、親になった時、友人が親になった時、部下が親になった時などなど直接的・間接的に子供に関わった時に大人がどんな判断をし、どんな行動を取るかが鍵であり、一人一人がこれからの日本のことを思い、それを担う子供たちを育てる意識を持って接することが大事なのではないかと思います。


あとがき


とまあ、最後はなんとなく綺麗事っぽい感じになってしまい恐縮ですが、私はそれが本質だと思います。

また、私は当然だと考えているため触れませんでしたが、いろいろな人が子育てに関わる中で、夫婦で子育てをする、つまり父親も子育てに積極的に参加することは非常に大切だと思っており、父親たちの判断・行動が非常に重要だと思います。


社会はそんなに簡単には変わらず、落胆することも多いですが、それでも、後世により良い社会を残すために自分ができることを精一杯していきたいと思いますと同時にいろいろな家庭環境があるため人ぞれぞれですのですが、それでも自分の子供がいきている世界にできる限り参加し、社会全体で子供を育てることができるような環境はできればといいなと思います。